情報倫理について

       

著作権・肖像権

著作権とは知的財産権と呼ばれるアイディアや技術を保護するための権利のうちの一つで、学術や美術、音楽を表現したもの(著作物と呼びます)を保護するためのものです。頭の中のアイディアではなく、目に見えるものや表現が対象であり、制作者はその著作物を独占して利用できる権利を持っています。

販売されているアプリケーションソフト(Microsoft Officeなど)やインターネット上に公開されているWebページも著作物です。インターネット利用では、著作権を中心とした知的財産権に関する問題やトラブルが多く発生します。

肖像権とは、プライバシーを守るための権利です。その人の許可なしに、写真などを本人だと特定できる肖像(人の像やその画像のこと)を不特定多数の人に公開することを法的に禁止しています。たとえ友達であっても、許可なく写真をだれでも見ることができる状態にしてしまうと、肖像権の侵害となります。

インターネットを利用する際には、知的財産権に配慮しなければなりません。以下は、侵害してしまう行為の一部です。

  • WWW上の他の人が書いた文章や図表を、課題レポートや卒業論文に無断で使用すること。
  • Webサイトにアイドルやアニメキャラクターなどの画像ファイルを無断で掲載すること。(個人のファンサイトに見受けられますが、ほぼすべて違法行為です。)

※但し、記念写真の背景にポスターなどが写ってしまったというようなケースや、別の目的でビデオを撮っていたらBGMが録音されていたというようなケースは例外として許されています。

・無断複製が禁止されている音楽CDやソフトウェアなどを、インターネット上で交換または
それが可能な状態にすること。

メディアリテラシー

メディアリテラシーとは、いろいろなメディア(インターネットや新聞、テレビなどの情報の伝達手段のこと)から発信されるたくさんの情報の中から、自分に必要なものを選び出し、それが正しいものかどうかを判断でき、活用することができる能力のことです。インターネット上では、嘘や噂の域を出ないことも真実のことのように扱われる場合があります。また、ある意図を持って偏った情報だけを選んだり編集したりしたものが発信されることもあります。つまり、情報を活用するときには、その真偽や意図も踏まえて理解することが大切なのです。

メディアリテラシーには、情報の発信者と受信者それぞれがどのように情報を扱うべきか、ということが含まれます。

発信者に対しては、自由な発言は保証されるべきものではありますが、虚偽や捏造をしないこと、つまり信頼性と中立性が求められます。受信者は、発信されている情報に潜む偏りや意図を理解しなければなりません。そのまま鵜呑みにするのではなく、真偽の確認や自分の中で一度噛み砕いて理解することなどが求められます。

現代社会では、従来からのマスメディアだけでなくインターネットからのものも含めて情報があふれかえっています。この中から、信頼できる真実の役立つ情報を選び抜く力がメディアリテラシーです。

情報セキュリティ

情報セキュリティとは、情報の機密性と完全性(情報が破壊されたり改ざんされたりしない)、可用性(情報をいつでも利用できるようにしておく)を維持することで、これらを損なう可能性のことを「リスク」といいます。リスクはコンピューターウイルス(以下「ウイルス」という。)やスパイウェア、悪質なWebサイト様々な「脅威」によって現実化します。情報セキュリティ対策とは、自分のパソコンやスマートフォンのデータや個人情報を脅威から守るために対策を行うことです。例えばスマートフォンで情報流出が起こると、自分以外の個人情報まで流出し、周りの人にまで迷惑をかけてしまうことになります。情報セキュリティ対策について知り、対策を行いましょう。

ウイルスの危険

インターネットは便利ですが、その反面で多くの危険が伴います。ウイルスによってパソコンやスマートフォンに多くの障害が出たり、個人情報流出の原因になったり、他のパソコンにウイルスを感染させてしまったりします。このようなことを防ぐためにも、ウイルスのタイプを知り、対策をしておかなければいけません。そのために正しい情報や知識を身に付けることが重要です。

ウイルスの感染

大学でパソコンやスマートフォンを使うときに、自分のものを持ってきてICCにつなぐ場合もあると思います。もし、そのパソコンやスマートフォンがウイルスに感染していた場合、一瞬のうちに学内の他のパソコンやスマートフォンへ感染し、多大な被害を与える恐れがあります。学内Wi-Fiなどを利用して自分のパソコンやスマートフォンをICCに接続する場合には、
あらかじめウイルスへの対策を施しておいてください。
例えば、多く利用する機会があるUSBメモリに感染し、それを接続したパソコンに感染させる「USBワーム」と呼ばれるウイルスには十分に気を付ける必要があります。

ウイルスに感染したパソコンには、次のような症状が出ます。

  • パソコンやスマートフォンから個人情報を流出させる
  • ファイルやフォルダが削除されてしまう
  • 画面に不明な画像が表示される
  • パソコンやスマートフォンの動作がいつもと違う(遅くなるなど)
  • 有料サイトに勝手に接続し料金請求をされる
  • 勝手に電子メールが送られてしまう

ただし、最近は感染しても何の自覚症状も現れないウイルスが多くなっているため、これらに該当していないからといって安心はできません。
ウイルスは日々進化しています。過去に起きたパソコンの遠隔操作による誤認逮捕の事件も、ウイルスにより引き起こされたものです。

スパイウェア

スパイウェアとは、パソコンやスマートフォンを使っているユーザーの行動や個人情報を収集し、そのデータを開発元に送る、というような動きをするソフトウェアです。多くのスパイウェアは、表だって悪質なことをしないため気づかないことが多いものです。日常的な使い方をしていてもパソコンに入り込んでいることが多くあります。また、Webページを見る、電子メールを読むだけで入り込んでくる場合もあります。

スパイウェアの対策には、不要なソフトウェアはインストールしない、常に最新のセキュリティ情報に更新をしておく、パソコンやスマートフォンのセキュリティ検査を定期的に実施する、というような日常的な注意が必要です。

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